居室の避難安全性能の確認

階避難安全検証の第1段階、居室の避難安全性能の確認の方法を解説します。

プラン例『オフィスA』を用いて居室の避難安全性能の確認を行っていきます。
ここでは最も複雑な「事務室」を例に具体的に計算方法を解説します。

避難開始時間

避難開始時間は、計算対象としている室と、その室を通らなければ避難できない居室の面積の合計から、計算で求めます。
例のプランでは、「事務室」を通らなければ避難できない居室は「支店長室」です。
この時、「倉庫」については居室ではないので含める必要はないという解釈と、火災時にたまたまそこに人がいる可能性があるので含めるべきとする解釈があります。ここでは、含めて安全側の検証とします。

計算結果は以下のようになります。※同時に在室者数の合計も求めておきましょう。

=√(165.375) / 30 =0.4287

避難開始時間 0.4287分

歩行時間

歩行時間は、まず図面上に最も長い歩行経路を作図して歩行長さを求め、それを歩行速度で除すことで求めます。

「事務室」のように複数の出口が設置されている場合、それぞれの垂直2等分線を引き各扉が負担する領域を決めます。
また壁からの離れ距離は壁芯から1.0mとして歩行経路の起点を決定します。また、歩行経路は建具に向かって直線とするのではなく、壁に対して平行垂直に引きます。これは室内に家具等が設置される事を考慮するためです。
すると、居室内居室である支店長室を基点としてD7扉に向かう経路が11.8mと最も長い経路となります。

= 11.8/ 78 = 0.1513

歩行時間 0.1513分

出口通過時間

出口通過時間の算定では、まず有効流動係数を求めます。有効流動係数は避難経路等の部分にその部分を利用する人が収容できるか否かによって決まります。
「事務室」の避難経路等に当たる部分は、「廊下」と「屋外階段」で、そこを利用しなければ避難できない在室者数で判定します。

「事務室」の避難経路等を利用しなければ避難できない在室者数

滞留判定の結果、避難経路等に全員収容可能で有効流動係数は90となります。
※注:滞留判定は、「廊下」「屋外階段」と場所ごとに捉えるのではなく、全てを合計して判定します。

次に最も有効幅の広い扉付近での火災を想定し避難に利用できる有効幅を求めます。

火災の拡大の方が扉までの到達時間より早いため、有効幅は火災による影響を受けて小さくなります。

これらの結果を表にまとめると以下のようになります。

在室者数をここまでで求めた結果「ΣNeffBeff=199.260」で除すことによって、出口通過時間が求められます。

= 17.610 / 199.260 = 0.884

出口通過時間 0.0884分

避難終了時間

ここまでで求めた「避難開始時間」・「歩行時間」・「出口通過時間」を合計して求めます。

0.4287 + 0.1513 + 0.0884 = 0.6684

避難終了時間 0.6684分

「事務室」の避難終了時間が算出されました。

煙降下時間

まず、煙発生量と有効排煙量を算出します。
「事務室」は無排煙なので煙発生量のみの算出になります。

=147.000 / 186.205 = 0.7894

煙降下時間 0.7894分

「事務室」の煙降下時間が算出されました。

判定

避難終了時間 0.6684分 < 煙降下時間 0.7894分

「事務室」の避難安全性能の確認ができました。

ここまでの一連の作業を全ての居室に対して行い、全ての室の避難安全性能を確認します。避難安全性能の確認ができなかった室については、避難終了時間の短縮や煙降下時間の延長等、すべての居室の避難安全性能が確認できるような設計の工夫・修正が必要です。

以下に、例題の全ての居室の避難安全の確認を行った結果を示します。

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